介護福祉士の仕事をしていて一番辛いこと

私が介護福祉士の仕事をしていて一番辛いことは、介護していた利用者が亡くなることです。以前、利用者にこんな事を言われました。「死ぬ前に、あんたに出会えて良かったわ。」と。その女性は特に死に直結する病気ではありませんでしたが、90代でしたのでいつお迎えがきてもおかしくないと常に話していました。そして、「人間は何歳になっても、まだ死にたくないまだ死にたくないと思うもんだよ。でも先はそう長くない。あんた、毎日一所懸命生きているか?」と言って下さいました。私は週に一度1時間の家事援助でその女性宅を訪問しました。90歳でありながら、痴呆症でもなく身体介護は必要としませんでした。料理など細かい仕事は出来ないので料理をつくり洗濯物を干し掃除をして終わりです。いつも、早く仕事を終わらせて、一緒に歌を歌うことをせがみました。昔の歌を一緒に歌うととても嬉しそうな顔をして喜びました。「何回も何回も同じ歌を歌ってくれる介護士さんはあんたが初めてや。あんたで良かった。」と言ってくれたことが忘れられないのです。私もいつの間にか、その方を亡くなった祖母と重ね合わせていたのかもしれません。訪問と訪問の1週間の間にある日、その方は安らかに天国に逝きました。その方は一人暮らしでした。お通夜では、近くに住む二人の娘さんの家族が悲しげに私を迎えてくれました。私は今までお会いしたことがなかったので、軽く挨拶をして帰ろうと思っていました。しかし、その娘さんは私を見るなり、「最後、母を幸せにして頂き本当にありがとうございました。」と嗚咽し出したのです。「いつも、よくしてもらっている人がいると母から聞いていました。」と言い、いつの日か二人で一緒に撮った写真をそっと出してきました。この一瞬は、介護福祉士という立場を忘れ、泣き崩れてしましました。我に返り、私は胸の中で天国の祖母にお願いをしました。「まもなく、歌の上手い友達がそっちに行くからよろしく!」と。今でも何か辛いことがあると、「一所懸命生きているか?」という言葉に励まされ頑張っています。